絶句漫興九首 其八
盛唐・杜甫
舎西柔桑 葉可拈
舎西の柔桑 葉拈むべく
江畔細麦 復繊繊
江畔の細麦 復た繊繊たり
人生幾何 春已夏
人生幾何ぞ 春已に夏なり
不放香醪 如蜜甜
放かず香醪 蜜の如く甜きを
拈(つまみとる)
繊繊(ほっそりしているさま)
放(置く、手放す)
香醪(香りの良いにごり酒)
風景を見ての即興 九首 その八
家の西にある柔らかな桑の葉も摘むことができるようになり、
川辺の麦の穂もしなやかに伸びている。
わたしの人生もあとどれほどあるのだろうか、季節はすでに春から夏に移っている。
密のように甘いにごり酒を手放すことはできない。
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