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Tuesday, 15 November 2022

【韋応物】閑居寄諸弟

 

中唐・韋応物

閑居寄諸弟

閑居(かんきょ)諸弟(しょてい)()

 

秋草生庭白露時 故園諸弟益相思

尽日高斎無一事 芭蕉葉上独題詩

 

秋草生庭 白露時

秋草(しゅうそう)(にわ)(しょう)ず 白露(はくろ)(二十四節気)(とき)

故園諸弟 益相思

故園(こえん)(故郷)諸弟(しょてい)(ます)ます(あい)(おも)

尽日高斎 無一事

尽日(じんじつ)(終日) 高斎(こうさい)(官舎) 一事(いちじ)()

芭蕉葉上 独題詩

芭蕉(ばしょう)葉上(ようじょう) (ひと)()(だい)

 

閑居(暇な暮らし)

寄(遠くに送る)

諸弟(一族の兄弟・従弟ら)

白露(二十四節気の一つ。現在の9月8・9日頃)

故園(故郷)

相思(相手を思う)

尽日(一日中)

高斎(地方長官の官舎)

無一事(為すべきことがない)

芭蕉(バショウ科の多年草)

題詩(詩を作り書き付ける)

 

※バショウは、中国南部および東南アジアを原産とする大型の多年草で、高さは4~5mに達し、大きな葉は日よけに適し庭園に好んで植えられた。食器の代用や葉柄の繊維を利用して布や紙の原料ともなった。また、その大きな葉はそのまま紙の代用ともなった。

 

【訓読】閑居、諸弟に寄す

秋草、庭に生ず 白露の時

故園の諸弟、益ます相思う

尽日 高斎 一事も無し

芭蕉の葉上 独り詩を題す

 

【和訳】わび住まいにて弟たちに送る

秋の草が庭に生えて黄ばむ、白露の時節、

故郷にいる兄弟らがしきりに思われてならぬ。

終日官舎になすべきこともなく、ぽつねんと過ごし、

弟たちへの思いを芭蕉の葉に書き付ける。

 

NHKカルチャーラジオ

漢詩をよむ 2022/10-2023/03

 

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