中唐・白居易
山泉煎茶有懐
山泉に茶を煎じて懐い有り
坐酌泠泠水 看煎瑟瑟塵
無由持一碗 寄与愛茶人
坐酌 泠泠水
坐して泠泠たる水を酌み
看煎 瑟瑟塵
看 瑟瑟たる塵(粉末の茶)を煎ず
無由 持一碗
一碗を持って
寄与 愛茶人
茶を愛する人に寄せ与うるに由無し
山泉(山から湧き出る泉)
煎茶(茶を淹れる)
有懐(感慨がある)
泠泠(水の音の清らかなさま)
看(みるみるうちに)
瑟瑟(緑色の宝石)
塵(粉末の茶を指す)
無由(~のすべがない)
一碗(ひとつの茶碗)
寄与(寄せ送る)
【訓読】山泉に茶を煎じて懐い有り
坐して泠泠たる水を酌み
看 瑟瑟たる塵を煎ず
一碗を持って
茶を愛する人に寄せ与うるに由無し
【和訳】山の泉で茶を淹れ、思いを詠ずる
さらさら流れる泉を汲んで、
みるみるうちに緑色の玉のごとき色となる茶を淹れる。
茶を愛する人に、一杯飲ませたいと思うが、
飲ませたい人もいない。
NHKカルチャーラジオ
漢詩をよむ 2022. 4-9
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