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Tuesday, 22 November 2022

【蘇轍】毛君恵温柑茘枝二絶 其一

 

北宋・蘇轍

毛君恵温柑茘枝二絶 其一

毛君(もうくん) 温柑(おんかん)茘支(れいし)とを(めぐ)二絶(にぜつ) ()(いち)

 

楚山黄橘弾丸小 未識洞庭三寸柑

不有風流呉越客 誰令千里送江南

 

楚山 黄橘弾丸小

楚山(そざん)黄橘(こうきつ)(黄色い柑橘) 弾丸(だんがん)(しょう)

未識 洞庭三寸柑

(いま)(しら)らず 洞庭(どうてい)三寸(さんずん)(かん)

不有 風流呉越客

風流(ふうりゅう) 呉越(ごえつ)(かく)()らずんば

誰令 千里送江南

(たれ)千里(せんり)をして江南(こうなん)(おく)らしめん

 

毛君(作者の知人、詳細は不詳)

温柑(温州の柑橘)

茘支(果樹のライチ)

楚山(洞庭湖以南の山々)

黄橘(黄色い柑橘)

弾丸小(弾丸のような小ささ)

洞庭(洞庭湖)

三寸柑(直径10cmほどのミカン)

風流呉越客(毛君を指す)

誰令(だれが~させることができようか。反語)

千里(はるか彼方)

送江南(江南の産物として贈る)

 

【訓読】毛君 温柑と茘支とを恵む二絶 其の一

楚山の黄橘 弾丸の小

未だ識らず 洞庭三寸の柑

風流 呉越の客有らずんば

誰か千里をして江南を送らしめん

 

【和訳】毛君が温州のミカンと茘枝とを贈ってくれたのに返礼する二首の絶句 その一

楚の山々の黄色い蜜柑は、弾き弓の弾丸のように小さく、

洞庭湖付近には直径三寸の蜜柑があるとは知らなかった。

風流を解する呉越地方の出身の君がいなければ、

いったい誰がはるか彼方の江南の味を贈って下さるものか。

 

NHKカルチャーラジオ

漢詩をよむ 2022/10-2023/03

 

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