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Thursday, 8 December 2022

【戴叔倫】梧桐

 

中唐・戴叔倫

梧桐

梧桐(ごどう)

 

亭亭南軒外 貞幹修且直

広葉結青陰 繁花連素色

天資韶雅性 不愧知音識

 

亭亭南軒外

亭亭(ていてい)たる(高く聳える) 南軒(なんけん)(そと)

貞幹修且直

貞幹(ていかん)(まっすぐな幹) (なが)()(ちょく)なり

広葉結青陰

広葉(こうよう) 青陰(せいいん)(むす)

繁花連素色

繁花(はんか) 素色(そしょく)(白色)(つら)

天資韶雅性

天資(てんし)(天賦の才) 雅性(がせい)()

不愧知音識

知音(ちいん)(※参照)()るを()ぢず

 

梧桐(アオギリ)

亭亭(高く聳えるさま)

南軒(南側の軒)

貞幹(まっすぐな幹)

広葉(幅広い葉)

青陰(緑の木陰)

繁花(満開の花)

素色(白色)

天資(生まれつきの才)

韶(継承する)

雅性(雅楽を奏でる性質)

知音(心の底まで理解し合った友)

 

※「知音」とは以下の典故による。

春秋時代、鍾子期(しょうしき)は伯牙(はくが)の弾く琴の音色で、伯牙の心境を理解した。鍾子期が死ぬと、白牙はもはや我が琴の音を知る者はいないと琴の弦を切って二度と演奏しなかった。

 

【訓読】梧桐

亭亭たる 南軒の外

貞幹 修く且つ直なり

広葉 青陰を結び

繁花 素色を連ぬ

天資 雅性を韶ぎ

知音の識るを愧ぢず

 

【和訳】梧桐

南の窓辺にすっくと聳え、

幹は長く、かつまっすぐに伸びる。

大きな葉は、緑の木陰を広げ、

花は満開で白色を連ねる。

持って生まれた性質は雅楽を奏でる伝統を継ぎ、

琴の音を聞き分けた「知音」に恥じることもない。

 

NHKカルチャーラジオ

漢詩をよむ 2022/10-2023/03

 

 

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