明・于若瀛
山茶
山茶
丹砂点雕蕊 経月独含苞
既足風前態 還宜雪裏嬌
丹砂点雕蕊
丹砂(紅い花粉) 雕蕊(しおれたシベ)に点じ
経月独含苞
月を経て 独り苞(実)を含む
既足風前態
既に風前の態に足り
還宜雪裏嬌
還た雪裏の嬌に宜し
山茶(ツバキ)
丹砂(紅い砂。ツバキの花粉)
雕蕊(しおれた花)
含苞(花の実)
既足(「既」は「還」と呼応して、~だけではなく)
風前態(風に吹かれるさま)
還宜(そのうえ~にもよい)
雪裏嬌(雪の中に咲く姿に愛嬌がある)
※「丹砂」は本来、水銀と硫黄の化合物。仙薬の原料となる鉱物。
【訓読】山茶
丹砂 雕蕊に点じ
月を経て 独り苞を含む
既に風前の態に足り
還た雪裏の嬌に宜し
【和訳】ツバキ
紅い花粉がしおれた蕊につき、
時を経て、ツバキの実を付ける。
風に吹かれる風情をたたえ、
また、雪の中に愛嬌を振りまく。
NHKカルチャーラジオ
漢詩をよむ 2022/10-2023/03
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