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Friday, 2 December 2022

【于若瀛】山茶

 

明・于若瀛

山茶

山茶(つばき)

 

丹砂点雕蕊 経月独含苞

既足 宜雪裏嬌

 

丹砂点雕蕊

丹砂(たんさ)(紅い花粉) 雕蕊(ちょうずい)(しおれたシベ)(てん)

経月独含苞

(つき)()て (ひと)(ほう)(実)(ふく)

既足風前態

(すで)風前(ふうぜん)(たい)()

還宜雪裏嬌

()(せつ)()(きょう)(よろ)

 

山茶(ツバキ)

丹砂(紅い砂。ツバキの花粉)

雕蕊(しおれた花)

含苞(花の実)

既足(「既」は「還」と呼応して、~だけではなく)

風前態(風に吹かれるさま)

還宜(そのうえ~にもよい)

雪裏嬌(雪の中に咲く姿に愛嬌がある)

 

※「丹砂」は本来、水銀と硫黄の化合物。仙薬の原料となる鉱物。

【訓読】山茶

丹砂 雕蕊に点じ

月を経て 独り苞を含む

既に風前の態に足り

還た雪裏の嬌に宜し

 

【和訳】ツバキ

紅い花粉がしおれた蕊につき、

時を経て、ツバキの実を付ける。

風に吹かれる風情をたたえ、

また、雪の中に愛嬌を振りまく。

 

NHKカルチャーラジオ

漢詩をよむ 2022/10-2023/03

 

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