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Friday, 15 November 2019

【原文ルビ訓読】菜根譚 前集 011-015


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菜根譚 前集 011-015

11
藜口筧譌腸者、多氷清玉潔、袞衣玉食者、
甘婢膝奴顔,蓋志以澹泊明、而節従肥甘喪也。

藜口筧腸の者は、氷清玉潔多く、
袞衣玉食の者は、婢膝奴顔に甘んず。
蓋し、志は澹泊を以て明らかなるも、
節は肥甘より喪うなり。

藜口(れいこう)筧腸(けんちょう)(もの)は、氷清(ひょうせい)玉潔(ぎょっけつ)(おお)く、
袞衣(こんい)玉食(ぎょくしょく)(もの)は、婢膝(ひしつ)奴顔(どがん)(あま)んず。
(けだ)し、(こころざし)澹泊(たんぱく)(もっ)(あき)らかなるも、
(せつ)肥甘(ひかん)より(うしな)うなり。

12
面前的田地、要放得寛、使人無不平之歎。
身後的恵沢、要流得長、使人有不匱之思。

面前の田地は、放ち得て寛きことを要し、人をして不平の歎き無からしむ。
身後の恵沢は、流え得て長きことを要し、人をして不匱の思い有らしむ。

面前(めんぜん)田地(でんち)は、(はな)()(ひろ)きことを(よう)し、(ひと)をして不平(ふへい)(なげ)()からしむ。
身後(しんご)恵沢(けいたく)は、(つた)()(なが)きことを(よう)し、(ひと)をして不匱(ふき)(おも)()らしむ。

13
経路窄処、留一歩与人行、滋味濃的、
減三分譲人嗜、此是渉世一極安楽法。

経路の窄き処は、一歩を留めて人の行くに与え、滋味の濃かなるものは、三分を減じて人の嗜むに譲る。
此れは是れ、世を渉る一の極安楽の法なり。

経路(けいろ)(せま)(ところ)は、一歩(いっぽ)(とど)めて(ひと)()くに(あた)え、
滋味(じみ)(こまや)かなるものは、三分(さんぶ)(げん)じて(ひと)(たしな)むに(ゆず)る。
()れは()れ、()(わた)(いつ)極安楽(ごくあんらく)(ほう)なり。

14
作人無甚高遠事業、擺脱得俗情、便入名流。
為学無甚増益功夫、減除得物累、便超聖境。

人と作りて、甚の高遠の事業無きも、俗情を擺脱し得ば、便ち名流に入る。
学を為して甚の増益の功夫無きも、物累を減除し得ば、聖境に超ゆ。

(ひと)()りて、(なん)高遠(こうえん)事業(じぎょう)()きも、俗情(ぞくじょう)擺脱(はいだつ)()ば、便(すなわ)名流(めいりゅう)()る。
(がく)()して(なん)増益(ぞうえき)功夫(くふう)()きも、物累(ぶつるい)減除(げんじょ)()ば、聖境(せいきょう)()ゆ。

15
交友、須帯三分侠気。
作人、要在一点素心。

友に交るには、須らく三分の侠気を帯ぶべし。
人と作るには一点の素心を在するを要す。

(とも)(まじわ)るには、(すべか)らく三分(さんぶ)侠気(きょうき)()ぶべし。
(ひと)()るには一点(いってん)素心(そしん)(そん)するを(よう)す。




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