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Tuesday, 12 November 2019

【原文ルビ訓読】菜根譚 前集 006-010


【原文ルビ訓読】菜根譚 前集 001-005

菜根譚
前集 006-010

6
疾風怒雨、禽鳥戚戚。
霽日光風、草木欣欣。
可見天地不可一日無和気、
人心不可一日無喜神。

疾風怒雨には、禽鳥も戚々たり。
霽日光風には、草木も欣々たり。
見るべし、天地に一日も和気無かるべからず、人心に一日も喜神無かるべからざることを。

疾風(しっぷう)怒雨(どう)には、禽鳥(きんちょう)戚々(せきせき)たり。
霽日(せいじつ)光風(こうふう)には、草木(そうもく)欣々(きんきん)たり。
()るべし、天地(てんち)には一日(いちじつ)和気(わき)()かるべからず、人心(じんしん)には一日(いちじつ)喜神(きしん)()かるべからざることを。

7
醲肥辛甘非真味、真味只是淡。
神奇卓異非至人、至人只是常。

醲肥辛甘は真味に非ず、真味は只是れ淡なり。
神奇卓異は至人に非ず、至人は只是れ常なり。

醲肥(じょうひ)辛甘(しんかん)真味(しんみ)(あら)ず、真味(しんみ)(ただ)()(たん)なり。
神奇(しんき)卓異(たくい)至人(しじん)(あら)ず、至人(しじん)(ただ)()(じょう)なり。

8
天地寂然不動、而気機無息少停。
日月昼夜奔馳、而貞明万古不易。
故君子、閒時要有喫緊的心思、忙処要有悠閒的趣味。

天地は寂然として動かざれども、気機は息むことなく、停まること少し。
日月は昼夜に奔馳すれども、貞明は万古に易らず。
故に君子は、閒時に喫緊の心思あるを要し、忙処に悠閒の趣味あるを要す。

天地(てんち)寂然(せきぜん)として(うご)かざれども、気機(きき)()むことなく、(とど)まること(すくな)し。
日月(にちげつ)昼夜(ちゅうや)奔馳(ほんち)すれども、貞明(ていめい)万古(ばんこ)(かわ)らず。
(ゆえ)君子(くんし)は、閒時(かんじ)には喫緊(きっきん)心思(しんし)あるを(よう)し、忙処(ぼうしょ)には悠閒(ゆうかん)趣味(しゅみ)あるを(よう)す。

9
夜深人静、独坐観心、始覚妄窮而真独露。
毎於此中、得大機趣。
既覚真現而妄難逃、又於此中、得大慚忸。

(よる)(ふか)(ひと)(しず)まるとき、(ひと)()して(しん)(かん)ぜば、(はじ)めて(もう)(きわ)まりて、(しん)(ひと)(あらわ)なるを(さと)る。
(つね)()(なか)(おい)て、大機趣(だいきしゅ)()
(すで)に、(しん)(あらわ)れて(もう)(のが)(がた)きを(さと)らば、(また)()(なか)(おい)て、大慚忸(だいざんじく)()

10
恩裡由来生害。故快意時、須早回頭。
敗後或反成功。故払心処、莫便放手。

恩裡には由来害を生ず。
故に快意の時は、須らく早く頭を回すべし。
敗後には、或いは反りて功を成す。
故に払心の処は、便くは手を放つこと莫れ。

恩裡(おんり)には由来(ゆらい)(がい)(しょう)ず。
(ゆえ)快意(かいい)(とき)は、(すべか)らく(はや)(こうべ)(めぐら)すべし。
敗後(はいご)には、(ある)いは(かえ)りて(こう)()す。
(ゆえ)払心(ふっしん)(ところ)は、便(たやす)くは()(はな)つこと(なか)れ。




→ 【原文ルビ訓読】菜根譚 前集 011-015

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