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Wednesday, 9 November 2022

【劉著】伯堅恵新茶 其二

 

金・劉著

伯堅恵新茶 其二

伯堅(はくけん) 新茶(しんちゃ)(めぐ)む ()()

 

黄苞猶帯洞庭霜 翠袖伝看緑葉香

何待封題三百顆 只今詩思満江郷

 

黄苞猶帯 洞庭霜

黄苞(こうほう)(柑橘の外皮) ()()()ぶ 洞庭(どうてい)(しも)

翠袖伝看 緑葉香

翠袖(すいしゅう)(緑色の装束。女子) (つた)()る 緑葉(りょくよう)(かお)

何待封題 三百顆

(なん)()たん 封題(ふうだい) 三百顆(さんびゃくつか)(多数の「団茶」)

只今詩思 満江郷

只今(ただいま) 詩思(しし)(作詩の思い) 江郷(こうきょう)()

 

黄苞(柑橘の外皮)

洞庭(洞庭湖周辺は柑橘類の産地であった)

翠袖(緑色の装束。女子を指す)

伝看(順番に観察する)

緑葉香(茶葉の香り)

何待(待つ必要はない。反語)

封題(手紙などに封をして宛名を記す)

三百顆(三百個。「顆」は粒状の物を数える序数詞。ここでは「団茶」の数)

詩思(作詩の思い)

江郷(江南の水郷地帯)

 

【訓読】伯堅 新茶を恵む 其の二

黄苞 猶お帯ぶ 洞庭霜

翠袖 伝え看る 緑葉の香り

何ぞ待たん 封題 三百顆

只今 詩思 江郷に満つ

 

【和訳】伯堅より新茶を恵贈される その二

蜜柑の外皮には洞庭湖に降りた霜の名残り、

美女らが順番に緑の茶葉の香りを聞き分ける。

三百の包みの到着を待つまでもない、

今まさに詩興がわき起こり、江南の水郷地帯を駆け巡る。

 

NHKカルチャーラジオ

漢詩をよむ 2022. 4-9

 

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