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Tuesday, 29 November 2022

【薛濤】酬郭簡州寄柑子

 

晩唐・薛濤

酬郭簡州寄柑子

(かく)簡州(かんしゅう)柑子(かんし)()せらるるに(むく)

 

霜規不譲金色 円質仍含御史香

何処同声情最異 臨川太守謝家郎

 

霜規不譲金色

霜規(そうき)(霜降るミカン) (ゆず)らず (おうごん)(いろ)

円質仍含御史香

円質(えんしつ) ()(ふく)む 御史(ぎょし)(かお)(高潔な香り)

何処同声情最異

(いず)れの(ところ)か (こえ)(おな)じくして(じょう)(もっと)(こと)なる

臨川太守謝家郎

臨川(りんせん)太守(たいしゅ) 謝家(しゃか)(ろう)(南宋の謝霊運)

 

酬(応酬の詩篇)

郭簡州(簡州刺史、郭という人)

寄柑子(ミカンを送る)

霜規(霜の降る頃のミカン。「規」は円)

不譲(~に劣らない)

円質(丸い形質。ミカン)

仍含(いまでも、やはり含んでいる)

御史香(高潔な香り)

何処(どこ)

同声(名声を同じくする)

情最異(心持ちを異にする)

臨川太守(臨川の長官)

謝家郎(南宋の謝霊運のこと)

 

【訓読】郭簡州の柑子を寄せらるるに酬ゆ

霜規 譲らず の色

円質 仍お含む 御史の香り

何れの処か 声を同じくして情最も異なる

臨川の太守 謝家の郎

 

【和訳】郭簡州刺史殿から蜜柑を送られて

霜の降る頃の蜜柑は、黄金に負けぬ輝きを発し、

丸い形からは今も消えぬ御史殿の高潔な香りが漂う。

貴方様と名声を同じくし、心情を異にするお方はといえば、

臨川の太守であった謝霊運殿でございましょう。

 

NHKカルチャーラジオ

漢詩をよむ 2022/10-2023/03

 

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