盛唐・張諤
九日の宴
秋葉風吹黄颯颯 晴雲日照白鱗鱗
帰来得問茱萸女 今日登高醉幾人
秋葉風吹 黄颯颯
秋葉 風吹いて 黄颯颯たり
晴雲日照 白鱗鱗
晴雲 日照らして 白鱗鱗たり
帰来得問 茱萸女
帰来して 茱萸(カワハジカミ)の女に問うを得たり
今日登高 醉幾人
今日 登高 幾人をか醉わしめしと
九日宴(重陽の節句の宴会)
秋葉(秋の木の葉)
颯颯(風の吹くさま)
晴雲(晴れた空に浮かぶ雲)
鱗鱗(鱗のように連なるさま)
茱萸(カワハジカミ。ミカン科の落葉高木)
登高(丘や山に登る)
※中国では奇数を「陽」、偶数を「陰」と考えた。最大の陽「九」が重なる九月九日を「重陽の節句」として祝った。
※「茱萸(しゅゆ)」は「グミ」という訓もあるが、漢詩に出てくる「茱萸」は、さわやかな香りをもつカワハジカミであり、山椒に似た実である。この香りが邪を祓った。
【訓読】九日の宴
秋葉 風吹いて 黄颯颯たり
晴雲 日照らして 白鱗鱗たり
帰来して 茱萸の女に問うを得たり
今日 登高 幾人をか醉わしめしと
【和訳】重陽節の宴
黄色い木の葉が風にひゅうひゅうと吹かれ、
晴れた空に白い雲が太陽を受けてだんだんと浮かぶ。
帰って、頭に茱萸をさした女性に尋ねることができた、
きょう、高所に登りどれほどの人を菊酒で酔わせたのかと。
NHKカルチャーラジオ
漢詩をよむ 2022/10- 2023/03
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