北宋~南宋 李清照
添字采桑子(芭蕉)
添字采桑子(芭蕉)
窓前誰種芭蕉樹 陰満中庭
陰満中庭 葉葉心心
舒巻有余情
傷心枕上三更雨 点滴淒清
点滴淒清 愁損離人
不慣起来聴
窓前誰種 芭蕉樹
窓前 誰か芭蕉樹を種うる
陰満中庭
陰 中庭に満つ
陰満中庭
陰 中庭に満ちて
葉葉 心心
舒巻 有余情
舒巻 余情有り
傷心枕上 三更雨
心を傷ましむ 枕上 三更の雨
点滴淒清
点滴 淒清たり
点滴淒清
点滴 淒清として
愁損離人
離人 愁損す
不慣起来聴
起き来って聴くに慣れず
添字采桑子(詞における曲調を示す「詞牌」。双調)
窓前(窓辺)
葉葉心心(葉と芯)
舒巻(広がることと巻くこと)
有余情(風情がある)
傷心(心を痛める)
枕上(まくらべ)
三更(現在の午前零時前後)
点滴(雨だれ)
淒清(もの寂しく悲しいさま)
愁損(愁え悲しむ)
離人(夫の留守を守る妻)
【訓読】添字采桑子(芭蕉)
窓前 誰か芭蕉樹を種うる
陰 中庭に満つ
陰 中庭に満ちて
葉葉 心心
舒巻 余情有り
心を傷ましむ 枕上 三更の雨
点滴 淒清たり
点滴 淒清として
離人 愁損す
起き来って聴くに慣れず
【和訳】添字采桑子(芭蕉をうたう)
窓辺に誰が植えたか、芭蕉の木が茂る、
葉が中庭一杯に広がる、
葉が中庭いっぱいに広がって、
どの葉も、どの芯も、
伸びたり縮んだり、風情がある。
もの思いに沈む、枕元で聴く芭蕉の葉に当たる夜中の雨、
ポツポツともの寂しい、
ポツポツともの寂しく、
夫を思う妻を愁えさせる、
何度聞いても、起き上がって聞くことはできない。
NHKカルチャーラジオ
漢詩をよむ 2022/10-2023/03
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