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Friday, 11 November 2022

【白居易】禁中九日 対菊花酒憶元九

 

中唐・白居易

禁中九日 対菊花酒憶元九

禁中(きんちゅう)九日(きゅうじつ)菊花(きくか)(さけ)(たい)元九(げんきゅう)(おも)

 

賜酒盈杯誰共持 宮花満把独相思

相思只傍花辺立 尽日吟君咏菊詩

 

賜酒盈杯 誰共持

(ししゅ)(下賜された酒) (はい)() (たれ)(とも)()せん

宮花満把 独相思

宮花(きゅうか) ()() (ひと)(あい)(おも)

相思 只傍花辺立

(あい)(おも)いて (ただ)花辺(かへん)()いて()

尽日 吟君咏菊詩

尽日(じんじつ)(一日中) (きみ)(きく)(えい)()(ぎん)

 

禁中(宮中)

九日(陰暦9月9日。重陽の節句)

菊花酒(菊花を浮かべた酒。重陽の節句に飲む習慣があった)

元九(元稹。「九」は排行)

賜酒(天子から下賜される酒)

誰共持(誰と一緒に杯を持って)

宮花(宮中に咲く菊花)

満把(手に一杯)

花辺立(菊花の付近に立つ)

尽日(一日中)

 

【訓読】禁中九日、菊花の酒に対し元九を憶う

賜酒 杯に盈つれども 誰と共にか持せん

宮花 把に満ちて 独り相思う

相思いて 只だ花辺に傍いて立ち

尽日 君が菊を詠ぜし詩を吟ず

 

【和訳】九月九日、宮中にて菊を浮かべた杯に向かい元稹を思う

下賜の酒は十分あるが、君を措いて誰と飲もうか、

宮中の菊花を手に満たして、私はひとり君を思う。

君を思いながら、菊のかたわらに立って、

一日中、君が作った菊花の詩を吟じ空しく過ごした。

 

NHKカルチャーラジオ

漢詩をよむ 2022/10-2023/03


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